もやしコイン(SPRTS)の将来性に暗雲が…まずは運営陣が預かっているコインの返却へ

Sproutsコイン アイキャッチ

国産コインSprouts(SPRTS)のDiscordコミュニティのウォレット機能「もやしファーム」や、それを利用する形で様々なイベントを行うBot「もやたす」等が稼働を停止したのは、2020年7月のことでした。

それから約1年が経った2021年6月27日、残念ながら「もやしファーム」の廃止がアナウンスされました。

また、Botが停止したことによりDiscord上でユーザーが所有していたSPRTSが動かせない(他のユーザーに配布できない、自分のウォレットに出金できない)状態が続いていましたが、アドレスを申請することで出金されることもアナウンスされました。

アナウンスされた内容から判断するに、SPRTSの将来は非常に厳しいと言えます。今回のブログ記事では本件に関する一連の流れを見ることにします。

Sproutsコイン(SPRTS)とは?

Sprouts (通称「もやし」) は、2015年に海外で誕生した草コインです。ティッカーシンボルは「SPRTS」です。

このコインもPoS通貨であり、ウォレットにSPRTSコインを入れておくだけで1日当たり約2%という高配当が得られることで話題となりました。

しかし、その後約3年に渡って開発停止の期間が続き、その間に発行数が大きく増え続け、コインの価値が希釈されてハイパーインフレーション状態に陥ってしまいました。

そんな中、2018年1月、Sproutsに可能性を見出した日本の有志たちによって新しい非公式運営が組織され、3月には旧運営から新運営チームへ正式譲渡されました。

そして、同年7月7日の七夕の日、PoS報酬の抑制とバーン機能の実装をするためのハードフォークを行い、新しいSproutsとしての再出発を図りました。

草コインLovers 2017年のバブル時代に草コインを高値づかみした思い出 (XPとSPRTS)

事の発端はDiscordの仕様変更

2018年の1月と言えば、仮想通貨全体のバブルが崩壊した時期です。SPRTSコインの価格は暴落し、超低空飛行状態になりましたが、それでもDiscord上のコミュニティでは活発でした。「もやしファーム」と呼ばれる機能が実装され、SPRTSコインの保管、ユーザーによる投げ銭(レイン)や「鬼退治」「バレンタインデー」などのイベントが実施され、賑わいを見せていました。

もやしファームのイメージ図

もやしファームのイメージ図(Discordコミュニティより引用)

投げ銭(レイン)は、コマンドを実行(コマンドを記入して投稿)すると、コマンドによって呼び出されたBotが過去一定時間内に発言をしたユーザーに指定された数量のコインを配布するイベントです。

鬼退治は、鬼を「召喚」するコマンドを実行し、召喚された鬼に対して「豆まき」のようにコインを鬼に投げつけ、鬼のHPがゼロになるとそれまで投げられたコインがユーザーに分配されるというイベントでした。

バレンタインデーは、コインを提供することでBotによるチョコレートケーキ作りが進行し、ケーキ完成時にそれまでに提供されたコインがユーザーに配布されるイベントでした。

このような様々なイベントは、コミュニティのBotたちによって支えられてきましたが、2020年7月、Discordで仕様変更が行われ、これらのBotたちが動作しなくなってしまいました。

コミュニティの皆様へ

先週のdiscordの大型アップデートにより只今”もやたす”や”かかおたす”などのbotが停止しております。

現在、開発チームにより修正しておりますので少しのお時間お待ち頂けますようご理解ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

再開致しましたらアナウンスを致します。

引用元: コミュニティの2020/7/26付のアナウンスメント

上記のアナウンスメントが発表されたものの、それから長い間Botたちの修復は行われず、次第にコミュニティから活気が失われていきました。

参考 SproutsコミュニティのBOT停止が長期化、なぜSanDeGo情報ポータル

最大の問題はインフレによる価値の低下

参考記事で紹介したように、初め頃のSPRTSコインには1日当たり約2%の高配当が設定されていました。別の言い方をすれば、毎日2%発行数が増える=毎日2%ずつ価値が下がるということになりす。

下図は、SPRTSコインの発行数を表したグラフです。ハードフォークが行われた2018年7月7日までに指数関数的に増えていったことがわかります。

Sproutsインフレのグラフ

引用元: Sprouts Blockchain Explorer

最大の問題はインフレによる価値の低下を懸念した新運営陣は、ハイパーインフレーションに歯止めをかけるため、2018年7月7日にハードフォークを行いました。上図にあるように、7月7日のハードフォーク以降は発行数はほぼ横ばいとなり、インフレの進行は防がれているように見えます。

とはいうものの、すでに大量のコインが発行されて価値が希釈されてしまっていました。価値を高めためには、発行済のコインを破棄して希少性を高める必要がありました。

そこで行われたのが「お焚き上げ」という、毎日20時に、ある程度の枚数のコインをバーンするイベントでした。

MEMO
「バーン」とは、コインを使えなくすることです。焼却処分に例えて「バーン」(Burn)と呼ばれています。

また、このイベントとは別に「バーン神社」という機能もDiscord上に構築され、誰でも好きなだけコインをバーンできました。バーンを行うと、ユーザーに対してバーン神社から心願成就のコメントが返ってくるようになっており、バーンを楽しめるような仕組みでした。

これの努力により、2019年後半から2020年前半にかけて、下図のように総発行数が徐々に減り続けていきました。総発行数が約15Tという天文学的な数字なので、毎日少しずつバーンしても焼け石に水だったことは否めませんが、それでもSproutsの運営陣たちによって対インフレの活動が行われている証であり、「まだまだSproutsは死んでいない」と思わせる効果はあったと思います。

Sproutsコイン、バーンによる総発行数の減少

Botの停止とコミュニティの停滞

前述のように、2020年7月のDiscordの仕様変更により、コミュニティのイベントを支えてきたBotが動かなくなってしまいました。

Botが動いていた頃のコミュニティでは、ユーザー同士がチップ(コイン)を送り合ったり、バーンしたり、鬼退治したり、楽しいイベントが開催されていましたが、Botの停止によりこれらが不可能となり、バーンによる価値向上もできない状態が続いています。

楽しいイベントの開催が不可能となったコミュニティからはアクティブなユーザーが去っていき、活気が失われていきました。

もやしファームの廃止と資産返却

そして、Discordの「もやしファーム」の継続は困難であると判断され、同サービスを終了する判断がくだされました。保管されていたユーザーの資産(SPRTSコイン)は、運営に出金先アドレスを申請することでユーザーへ返却されることが決まりました。

2018年より稼働しておりましたもやしファームですが、日本の法規制やディスコードの仕様変更の影響により昨年6月頃よりサービス停止状況にありました。

それに伴い、お預かりする形となっていたメンバー様の資産に関して、長らくご自由に移動できない状況となっており大変申し訳ございませんでした。

この度、改めてもやしファームのサービス継続は困難と判断し、サービス終了とともに運営保有となっておりました資産をお返しすることに決定いたしました。

つきましては、もやしファームに資産をお預けだったメンバー様に資産返却用のSPRTSアドレスをご用意いただきたいと考えております。ご協力のほどよろしくお願いいたします。

引用: Discord コミュニティ

申請締切は2021年12月27日の24:00(日本時間)です。返却されなかったSPRTSは、コミュニティの承認を以ってバーンされる予定です。

解決策はあるのか?

Telegram上のSproutsコミュニティには多くの海外ユーザーがおり、諸問題を解決するためのいくつかの案が出されましたが、残念ながらどれも簡単にできるものではありません。

1. スワップする

スワップとは「交換」の意味で、例えば現在の 10,000 SPRTSを新しい 1 SPRTSと交換します。発行枚数が 1/10,000 になるため、単純計算で 1 SPRTS の価値が 10,000 倍になります。

これは単純な価値の向上手段のように見えますが、日本の法律に引っかかる可能性があるため、少なくとも現在の日本人による運営陣が行うことはできません。

しかしながら、現在の日本の法律解釈はそうではないようです。
日本人が、通貨取引を仲介する,もしくは主導するだけで、法律違反の可能性があります。
それには取引所を作るかどうかは全く関係ありませんし、単位切り上げの為に新通貨に移行するだけでも”主導している”とみなされる可能性があります。

引用: Discord コミュニティ

2. より多くのバーンを行う

運営陣がユーザーに働きかけて大量の SPRTS を寄付してもらい、運営陣がバーンするか、ユーザー自身で無効なアドレスへ SPRTS を送信して使用不可(=バーン)にするかの方法が考えられますが、多くのユーザーにバーンを呼びかけて実行させる(自分が持っているコインを捨てさせる)のは簡単ではありません。メリットがありませんからね。

3. スプラウトなどの農産物取引で実際使えるようにする

確かにホワイトペーパーには店舗での決済に使用できるようにすることを目指す旨が書かれています。けれども、価格変動が大きい仮想通貨のひとつである草コイン SPRTS が、果たして実社会で広く決済手段として使用されるようになるでしょうか。

4. モバイル用ウォレットを開発する

スマートフォンで使えるウォレットを開発すればユーザーが手軽に SPRTS を使えるようになる!という意見がありましたが、現在の完全ボランティアの運営陣にその余裕があるとは思えません。

モバイルアプリやブロックチェーンの開発に長けている人が開発陣に加われば前に進められるかも知れませんが。

5. 新しい取引所に上場して流動性を高める

通常、取引所にコインを上場させるにはお金が必要です。取引所にお金を払って上場させてもらうのです。そのための資金を誰が負担するのでしょうか。運営陣は完全なボランティアなので多くのユーザーから上場費用の寄付を募るしかありません。

また、1 SPRTSの価格が非常に小さい現状では、取引所にとって SPRTS を上場させるメリットはありません。SPRTS に興味を持ってくれるまともな取引所を探し、交渉を行い、集めた上場費用を支払う…。ハードルが高すぎます。

私の素人な考えではありますが、運営陣がユーザーから上場費用を集めることは他人の暗号資産を預かることを意味し、運営陣が暗号資産交換業者として金融庁に申請・登録・認可を受け、高度なセキュリティ対策(例:コールドウォレットでの保管)が求められるのではないでしょうか。

まとめ

以上のように、ハイパーインフレで希釈されたコインの価値、Botが復旧できない現状、日本の法律との関係、その他いくつかの理由により、Sprouts のプロジェクトは前に進めない状況となっています。

私は、日本の居住者を含まない新しい運営陣にプロジェクトを移譲し、その新運営陣がハードフォーク、スワップ、Bot開発などを行うことが最も妥当な解決策だと考えます。開発陣に日本人を含まず、日本の法律とは無関係な海外のどこかでプロジェクトを進める。それしか道はないように思えます。

果たして Sprouts は、このままデッドコインへの道をたどるのでしょうか。それとも海外の有志による新運営陣へ移譲されて復活することになるのでしょうか。

海外へ移譲された場合は「国産コイン」とは呼べなくなりますから、アルファフォーセットからも外されてしまうかも知れませんね。

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コミュニティから賑やかさが失われ、コインの関心も薄れていくのを目にするのは寂しいものです。何らかの復活への道を見つけ、前へ歩んで欲しいと思います。

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