今回のブログ記事は、「 YearoftheBULL Φ 1.618 Φ Golden Ratio Φ」氏(@misconfig_exe)による、ビットコインの値動きに関するとても興味深い分析の紹介です。
YearoftheBULL 氏は、ビットコインの過去のバブル時の値動きと、今回の値動き、典型的なバブルの波の形などを比較し、「ここ最近の下落は、覚醒フェーズから熱狂フェーズへ移行する際に起こる、黄金比 1.618 のベアトラップだ。前回のサイクルでも同じことが起こった。」(意訳)とツイートしています。
#Bitcoin bear trap at the Golden Ratio 1.618 before the MANIA PHASE, just like last cycle. pic.twitter.com/6rPXL8U2nd
— YearoftheBULL Φ 1.618 Φ Golden Ratio Φ (@misconfig_exe) June 21, 2021
一体どういうことでしょうか?詳しく見てみましょう。
目次
最近の約2ヶ月間の値動き
はじめに、最近の約2ヶ月間の値動きをおさらいします。下図はBTCの日足チャートです。
青い曲線は SMA 200 (単純移動平均線) で、オレンジ色の曲線は EMA 200 (指数平滑移動平均線) です。
5月中旬に下降トレンドに入った後、5月21日に42,000ドルを割って約30,000ドルまで一気に下落。その後は42,000ドルと30,000ドルの間を上下する動きが続きました。
30,000ドルのサポートはかなり強固なようです。上のチャートを見ると、この約2ヶ月の間に30,000ドルを割って下へ落ちそうになったことが4回あり、4回とも下落しなかった(=30,000ドルのサポートに4回も支えられた)ことがわかります。
この30,000ドルのサポートは、この後の考察でとても重要な意味を持ちます。
相場のサイクルと4つのフェーズ
YearoftheBULL 氏も引用している下図は、相場のサイクルを表しており、次の4つの期間(フェーズ)が繰り返されるとされます。
- Stealth Phase (閑散期)
- Awareness Phase (認知期)
- Mania Phase (熱狂期)
- Blow Off Phase (崩壊期)
認知期から熱狂期へ移る前に、「First Sell Off」(売却)と「Bear trap」(下落の罠)があることに注目してください。この図によると、バブルの本番が始まる前に、比較的大きな価格の下落が起こるものだとされています。
そして、下図が YearoftheBULL 氏による、BTCの4つの期間(フェーズ)の分析チャートです。2017年末の前回のバブルまでの経緯を左側、そのバブル崩壊から現在までを右側に配置しています。
YearoftheBULL 氏は、今年5月にテスラのビットコイン決済中止報道などによって発生した暴落が「First Sell off」であり、ここ約2ヶ月間の、42,000ドルと30,000ドルの間のレンジ相場が「Bear trap」に相当し、ここからいよいよバブル本番=熱狂期が始まるのではないか、と指摘しているのです。
YearoftheBULL 氏が根拠のひとつとしているものは、黄金比として知られるフィボナッチ比率 1.618 です。
それでは、2013年末の第1バブルから2017年末の第2バブルの期間と、2017年末の第2バブルから現在までの2つのチャートに分けて詳しく見てみましょう。
バブル本番前の下落は黄金比で止まる
2013年末の第1バブルから2017年末の第2バブル
下図は、BTCの2013年末の第1バブルから2017年末の第2バブル(とその後の暴落開始)までの週足チャートです。ログスケールで表示しています。
チャートの左の方に描かれている縦の白線は、2013年12月のバブル頂点の週を示しています。チャートの右の方に描かれている縦の白線は、2017年12月のバブルの頂点です。
その少し左側に描かれている縦の白線が「Bear trap」が発生した週(2017年7月10日の週)を表していて、バブル本番はその後にやって来ました。
「Bear trap」直前の「First Sell off」は、頂上が丸まった山のような形をしています。
そして、2013年12月のバブル頂点(左の白線)と大底を「フィボナッチ・リトレースメント」というツールで結ぶと、この「Bear trap」の下落が、黄金比である 1.618 の価格(黄色い水平線)でピタリと止まっていることがわかります。
2017年末の第2バブルから現在
では、次に、2017年末のバブル崩壊から現在までのチャートを見てみましょう。
一番左側の白い縦線が、2017年12月の第2バブル頂点の週。左から2番目の白い縦線は、2018年12月の大底の週を示しています。
バブル頂点と大底をフィボナッチ・リトレースメントで結び、黄金比 1.618 の黄色い水平線を見てみると…。
黄色い楕円の箇所に注目してください。何ということでしょう、ここ2ヶ月間の下落がすべてこの黄色い水平線で止められているではありませんか!
そして、その直前の値動きは丸い山のような形を作っています。
この丸い山が「First Sell off」、ここ約2ヶ月の42,000〜30,000ドルのレンジ相場が「Bear trap」であるとしたら…。
私達は今、熱狂期=バブル本番の始まりにいるのかもしれません。
まとめ
今回は、YearoftheBULL 氏の相場のフェーズ循環や黄金比を基にした考察がとても興味深かったため、私なりの説明や補足を加えて紹介しました。
私は、バブルの頂点は鋭く上に尖った形になるはずで、「First Sell off」の丸い山の形を作っただけで今回のバブル相場が終わってしまうはずがないと考えています。これからバブル熱狂期がやって来ることを予言する YearoftheBULL 氏の考察にはわくわくさせられます。
とは言うものの、相場に「絶対」はありません。「〜になるはず」と思い込んで突っ込むと火傷しますので、常に冷静な判断を心がけたいものです。
最後に、お約束ですが…。
この記事は、YearoftheBULL 氏の考察の紹介や個人的な見解を書いたものであり、必ずBTCが値上がることを保証するわけでもありませんし、仮想通貨の売買を推奨するものではありません。
投資は自己責任です。特に仮想通貨・暗号資産にはリスクがつきもの。十分理解の上で、自己の判断と責任で行ってください。